HRN通信 ~「今」知りたい、私たちの人権問題~

日本発の国際人権NGOヒューマンライツ・ナウが、人権に関する学べるコラムやイベントレポートを更新します!

HRNインターンに聞く②「人々の人権意識を上げる、SNS投稿づくりのコツ」

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ヒューマンライツ・ナウ(以下、HRN)でインターンをしている学生同士のインタビュー企画「HRNインターンに聞く」シリーズ。第二回目は、人権に関する国際デーの投稿といった、HRNのSNSでも特に人気の投稿を作成している、インターンのエン・クイーニーさんにインタビューしました。今回は、投稿づくりの際に気を付けていることや投稿に込めた思いを語ってもらいました。SNSの情報発信で人々の意識を高めたいと思っている方、必見です!

 

インタビュイー:広報・デザインインターン エン・クイーニー
インタビュアー:ビジネスと人権プロジェクトインターン 豊吉里菜

 

 

人権に関する国際デーの投稿について

豊吉:エンさんが今まで作成してきた投稿について簡単に説明していただけますか?


エン:私は、人権に関する国際デーの投稿を作成しています。意外と知られていませんが、人権に関連する国際デーは、年間を通してとても多いです。国際デーの投稿を通じて、フォロワーの皆さんに日頃から人権について考えてもらえるように、投稿を作成しています。投稿づくりに必要な情報収集は大変ですが、一から自分でイラストを描くことができるので、楽しみながら投稿を作成しています。また、みなさんから良い反応がもらえるのは嬉しいです。

 

 

エンさんのお気に入りの投稿。その思いとは?

 


豊吉:今まで作成してきた中で、一番気に入っている投稿は何ですか?


エンさん:「女性器切除の根絶のための国際デー」の投稿です。


豊吉:その投稿は、HRNのSNS投稿の中でも、記録に残るいいねの数を獲得し、フォロワーの数が一気に伸びた投稿でしたね!私も大好きな投稿です。頑張った点はありますか?


エン:実は、私もその国際デーのことはあまり知らなかったんです。なので、たくさん情報を集めていたのですが、衝撃的な情報が出てきて、おそらく多くの人も知らないと思い、その衝撃を伝えたくて、インパクトが強い画像を作成するのを頑張りました。


豊吉:たしかに、あの画像は印象的でした。画像にある花の意味を教えてください。


エン:女性器切除の問題を調べているうちに、この問題によってイノセントな少女たちが痛ましい思いをさせられていることを知り、それを表現したいと思いました。そこで、イノセントなイメージを持つ花に例えて、イラストを描きました。花が締め付けられているイラストから、画像を見た人にもその問題が生み出す痛ましい感情を感じてもらいたいです。

 

投稿づくりで意識していることとは?


デザインのアイデアを引き出すにはリサーチが欠かせない

豊吉:エンさんの投稿といえば、インパクトのある素敵なデザインが特徴だと思います。デザインをする中で、特に気を付けていることはありますか?


エンさん:投稿の中でも、一番最初の画像は、見てもらう人の興味を持ってもらうために、印象的な画像にすることを心掛けています。その画像のアイデアを引き出すために、トピックのリサーチにかなり時間をかけています。

広い観点から情報を集め、問題を理解する


豊吉:情報を集める時に注意していることはありますか?


エンさん:私は、情報を集める際に、様々な観点から問題の情報を集めるようにしています。ある一つの問題についてでも、国によって報道される内容が異なることもあるように、出来る限り多くの情報を集めることが大切だと思うからです。それから、周りの友達に意見を聞くこともあります。実際に経験している人や身近な人に耳を傾けることで、問題について深く理解するようにしています。

最近のニュースと結びつけ、中立的な立場から問題を紹介する



豊吉:投稿での伝え方で心掛けていることはありますか?


エンさん:国際デーによっては、テーマが広いことがあるので、投稿を見る人に関心を持ってもらいやすくするために、最近起こっている問題と関連付けて紹介しています。例えば、5月16日は「平和に共存する国際デー」ですが、「平和」といっても、漠然としていて、取り扱うにはとても広いですよね。そこで、最近のパレスチナ情勢を取り上げて、平和について皆さんに考えてもらいやすいようにしています。そうすることで、皆さんもイメージしやすく、問題に対して関心を持ってもらえると思います。

 

豊吉:なるほど。情報をしぼって伝えることで、投稿を見る側も理解しやすいですね。投稿の内容に含める情報の選び方にも工夫していることはありますか?


エンさん:情報量が多い中で、それぞれの情報を伝えることができれば良いのですが、それは難しいので、中立な立場から情報を伝えることを一番に心掛けています。特に、人の気持ちよりも、数字を中心としたデータを伝えることが多いです。そうすることで、皆さんも問題についてそれぞれの解釈で考えることができると思います。

これから投稿を見る人へ


豊吉:これから投稿を見る人に伝えたいメッセージをお願いします。


エンさん:私の投稿で取り扱う問題に関して、全ての情報が載っているわけではないということ覚えておいてほしいです。投稿で取り扱っている情報は一部分であり、私の投稿を見て、まずは関心を持ってもらうということを目的としています。なので、関心をもったら、そこから自分でリサーチをして、その問題に対してもっと理解を深めてほしいと思います。 

インタビューを終えて

人々の人権意識を高めるために、画像作成のためのリサーチから、情報の伝え方までエンさんが行う様々な工夫についてお話を伺いました。
人権問題をテーマにした投稿は、内容で人を引き込むことが難しいと思っていましたが、情報の伝え方によっては、人々を惹きつけることができるということがよくわかりました。
今回のインタビューの内容は、SNSでアドボカシー活動をしたいと思っている人に向けても、良いアドバイスにもなるのではないでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました!
HRNのインスタグラムより、過去の投稿もぜひチェックしてみてください!
これからのクイーニーさんの投稿もお楽しみに!

(文=豊吉里菜)