HRNインターンに聞く➀「気候変動訴訟に関する投稿に込めた思いとは?」
ヒューマンライツ・ナウ(以下、HRN)でインターンをしている学生同士のインタビュー企画【「HRNインターンに聞く」シリーズ】。第一回目は、HRNのSNSで気候変動×人権シリーズを作成・投稿されている塚本愛美さんにインタビューしました。今回は、シリーズの中でも「日本の気候変動訴訟」に関する投稿について、その問題背景や投稿に込めた思いを語ってもらいました。
インタビュイー:ビジネスと人権プロジェクトインターン 塚本愛美
インタビュアー:女性の権利プロジェクトインターン 國末りこ
投稿のきっかけ
塚本さんは、気候変動×人権シリーズの一つとして、日本の気候変動訴訟について投稿しています。ご自身がこのテーマについて知ったきっかけは何だったのか聞いてみました。
塚本さんは、氷河が溶けると自分たちの住む場所が危険にさらされるとして2020年12月に起こされた、スイスの気候変動訴訟を知ったのが最初のきっかけだったと言います。日本にも類似の訴訟があるか調べてみたところ、石炭工場に対する訴訟が見つかったそうです。
塚本さん:
”国内でもこのような訴訟が起こされているのを知らなかったので、驚きました。”
日本でも気候変動訴訟が起こされていたとは、インタビュアーも知りませんでした。そこで、気候変動訴訟は全国でどれくらい起きているのか聞いてみると、塚本さんが調べた限りでは、投稿でまとめたもの以外ほとんど見つけることができなかったという答えが返ってきました。
塚本さんが調べたところ、日本では気候変動や環境問題に関する訴訟が起こりにくいと言われています。日本では自然災害が多発し、日本政府はこれに対してある程度は対策を施してきたので、訴え出にくいことが理由として挙げられるそうです。
別の理由として、訴訟を起こすには自分の権利や人権が侵害されているという認識がなければいけませんが、日本の人々には自分が権利を持っているという意識が比較的低かったり、人権侵害というコンセプトが浸透していないことも挙げられるのではないか、と塚本さんは考察しています。
投稿作成時に工夫したポイント
投稿で工夫した点を尋ねると、ポイントは「訴訟を起こした当事者の声」だそうです。
塚本さんによると、実際に気候変動による危機を感じている人の意見を取り入れることで、この問題をより身近なものとして捉えてもらえるように発信できたと感じたそうです。(投稿5枚目参照)
人権問題×環境問題をどう伝えるか
今回の日本の気候変動訴訟の投稿には、塚本さんのどんな思いが込められているのでしょうか。
投稿を通して、環境問題と人権の繋がりを発信したいという思いがあったと塚本さんは言います。
”人権問題と環境問題はそれぞれ独立した運動としてアドボカシーを進められることが多く、違う問題として捉えられることが多いのですが、例えば環境破壊などは人権問題と直結する問題だと思います。”
どうすれば多くの人に理解してもらえるか、投稿の内容を決めるのも難しかったそうです。
”漠然とした問題意識はあっても、具体的に何について発信すれば良いか分かりませんでした。でも、訴訟はキャッチーだし知名度も低いので、良いのではないかと思いました。”
これから投稿を見る人へ
最後に、これから投稿を見る人に向けたメッセージを聞きました。
”投稿を見てくださるだけでも、大きな一歩だと思います。そこから問題意識を持ってくれたら、有り難いです。投稿をきっかけにこれから共に声を上げる仲間になってくれれば、また自分で掘り下げてもらえたらいいなと思います。”
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
HRNのインスタグラムより、気候変動×人権シリーズの他の投稿もぜひチェックしてみてください♪
(文=國末りこ)